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ウルトラクイズ中断時の福沢アナインタビュー

(『TVぴあ』121号 1993年8月5〜25日 より)


ウルトラクイズ完結 福沢アナ胸中を語る!!

 「ニューヨークへ行きたいか! 知力、体力、時の運」などの名文句を残し、クイズ・ファンのみならず広い支持を受けていた「アメリカ横断ウルトラクイズ」の打ち切りが各方面で噂され、一部テレビ雑誌などで報道されていたが、この度、昨年の第16回をもって終了になることが明らかになった。東京からニューヨークまでを、クイズの勝ち抜きによって進んでいくというユニークなこの番組はアメリカのテレビでも取り上げられたほどで、夏の名物となっていただけに番組打ち切りを惜しむ声も多い。また徳光和夫、福留功男ら先輩アナウンサーに続いて司会を担当した福沢明も「もう一回やりたかった」と遺憾の意を表した。そして「アメリカという国自体が身近になりすぎた。そしてクイズ自体が遠い存在になってしまった」という意見も述べている。
 あのクイズ番組の老舗だった『アップダウンクイズ』の優勝賞品がハワイ旅行であり、そのハワイに対しての視聴者の願望が少なくなって来たことが打ち切りの要因の一つであったことを考えれば、今回の『アメリカ横断〜』の終了も誰もがたやすくニューヨークに行くことができるようになったという時代の流れの中の一つの現象といえるかもしれない。福沢明も「番組の始まったころのニューヨークというのは、今でいうと世界一周ぐらいの価値あるものだったですからね」と感慨深げに語っている。
 そして福沢明が上げたもう一つの問題点が、遠い存在となったクイズということである。それについて福沢明に詳しく語ってもらった。「クイズという文化がここ数年曲がり角に来てたという気がする。とんねるずの石橋さんも、『カルトQ』が始まった段階でクイズも行き着くとこまで行っちゃった感じがするって言ってましたからね。マニアックな世界になりすぎてしまったということですよ。例えば視聴者の参加者に対する目も、昔はいろんなことを知っているんだなあという尊敬の念がこもっていたけれども、現在はなんでそんなことまで知っているんだというものに変わって来た。クイズ文化が特定の人々のものになってしまったんですね」
 残念ながら『アメリカ横断ウルトラクイズ』は終わってしまった。しかし、そこから派生して生まれた『高校生クイズ選手権』はまだまだ続いている。高校生たちの熱い戦いにこれからも注目が集まることだろう。


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